
Cross Pointオリジナルインタビュー企画第2弾に続いて、
今回は、学生スタッフAzukiがざっくばらんなお話しが伺えるように座談会形式で"起業"にまつわるお話を聞いて参りました!
ゲストは、
合同会社Socii CEO 本間有貴様、microverse株式会社 代表取締役 渋谷啓太様です。
フランクな座談会の様子をぜひお楽しみください!✨
自己紹介

お久しぶりです!!
Cross Point 学生スタッフの小豆澤です。
本日はよろしくお願いいたします!!

お久しぶりです!よろしくお願いします!
改めまして、本間有貴と申します。
合同会社Sociiを持っていて、この名前はあまり世の中には出していないんですがMore-ingという名前の団体でプロジェクトをしています。
ソーシャルビジネスの発端としてカンボジアで食品を作ったりしている会社です。
学生としては慶應義塾大学大学院のシステムデザインマネジメント研究科に在籍しています。
この研究科は文理融合型で社会人7〜8割が在籍していて、ちょっと変わった研究科の修士1年生です。
衛生データやリモートセーシングデータを使って栄養失調を可視化するぞ!という目標のもと、グーグルアセンディングやGISといったデータツールを使った研究を修士論文が来年にもう迫っているので、研究をしなければいけない!というところです。
東京理科大学では、工学部工業化学科に4年間通っていました。 その時は「光触媒を使った水素生成」「人工光合成」の研究をしていました。
一応、理科大の中ではホットなフィールドに携わらせて頂いていました。

光触媒の研究はノーベル賞を取るか取らないかみたいなこともありましたもんね!

そうですね。先輩方の指導のもと、「なるほど!」と言いながらとりあえずフラスコを振る係をしていました(笑)
本日はおねがいします!

よろしくお願いします!!
次は渋谷さん、自己紹介をお願いします!

すごいなんかもう、(本間さまの)仰々しい経歴がね…
なんかもうどうしよう
うんと…
山口県立岩国小学校をトップ卒業(笑)
スポーツも万能で…
一同:おお~~!!(笑)

小学校主席でスポーツマン!一番モテるやつ!(笑)

大学から東京に来て、アルバイトでクラブのセキュリティをやっていました。
宮崎のピーマン農家もやっています(笑)

本当にやってるのかと思っちゃう!(笑)

ピーマンって今世界中から需要があるんですよ!
スタッフ:そうなんですね!(ふむふむ)

信じちゃうから!!(笑)

あ、真面目になりますね(笑)
今はmicroverseという会社をやらせて頂いている渋谷啓太と申します。
何をやっているかというと、NFT版の"Makuake"みたいなビジネスをやっています。
IPやコンテンツを作るときに、NFTを最初に発行して金融市場からお金を集めて、それを元にCIPとかコンテンツを作っていく時の設計・開発からマーケティングまで全てやっている会社をやらせて頂いています。
microverse株式会社について

まず、microverseで行っている事業についてもっと詳しくお聞きしたいです!
IPっていうのは具体的にどういったものなんですか?

IPっていうのは、ドラゴンボールやキティちゃんといったキャラクターやアニメのエンタメの知財のことですね。
今までは新しい映画やアニメを作りましょうってなったとき、製作委員会とかができてたと思うんですよ。(集英社や角川や講談社など)
そこでお金をかけてコンテンツを作っていって、公開してマネタイズだったと思うんです。
それを僕たちがやっているNFTの世界では、作る前に製作委員会がなくて一番最初にNFTを発行して、投資家層の人たちにNFTを買ってもらって、NFTフォルダを持っている人たちでIPやコンテンツを作る前からコミュニティを作って、作りながらIPやコンテンツを作っていく。
これが僕たちがやっている領域です!

なるほど〜!!

これは今は事業者側(作る側)の目線なんですけど、
これが結構ファン目線でいうと革命的なことが起こっていて…
いわゆるクラウドファンディングなんですよね。
今までのクラファンだったら "最初に何か支援しました" 、"グッズを買って終わり"
だったんですけど、
NFTの世界だと、NFTって発行できる上限が決まっているので、
「支援」という形でNFTを買うと、どんどんIPやコンテンツが人気になってくるとNFTの価値自体も上がるかもしれないし、最初から持っているとそれを持っていることで「私は古参ファンなんだよ」ということが証明できる。
分かりやすく例え話をすると、
ワンピースの第1話目が登場したときに、僕がそのときの尾田栄一郎先生の書き下ろしの100枚限定のNFTを持っていたら、そのNFTの価値はすごくやばいし、ワンピースファンコミュニティでは僕は「神!」みたいな存在になる。
ファン目線で見ても、こういったクラウドファンディング的なスキームをIPとかコンテンツの0→1でNFTを使っていきましょうということを会社でやらせていただいています!
学生時代の起業エピソード

ソーシャルビジネスに興味を持ったきっかけを教えてください!

私はものすごく感受性が高くて、
ニュースや映画を見るだけでも、涙を流す方なんです。
ハイリーセンシティブパーソン(HSP)の中でもかなりハイリーな方だと思います(笑)
フランスのテロや東日本大震災について話をする時も泣いてしまう。生命にはかなりこだわりが強い方です。
高校2年生の時に、同級生が大腸がんで亡くなったんです。
私にとって、一番びっくりした出来事でした。
何にびっくりしたかというと、
多くの大人たちが、この日本で若い人たちに「少年よ、大志を抱け」ではないですけれど、「ティーンはこれから夢がいっぱいあっていいよね」「これからあなたは何にでもなれるよ!」って言うんですよ。
でも実際、人が1人いなくなっているんです。
その人の立場になったら「これから何かあるよ」どころではないんですよ。
時間がプツリと切れて、周りの人が悲しくなって...
初めてマイノリティを見た瞬間でした。
ティーンは普通は死なないという無意識の常識がある。
マイノリティに対して初めて、そうじゃないという例を意識的に見るという瞬間だったんです。
それがものすごくショックでした。
そこから高校2年生の時に進路を考えた時に、命に関わることをしようと思ったんです。
ちょうどその時、おばあちゃんが心臓にペースメーカーを入れたこともあり、「機械が心臓と入れ替わるってやばい!」という出来事もあり、医療工学を目指そうと思い理科大に入りました。
命や人の生活に貢献できたらいいなという目的のもと、当時は手段として医療工学を選びました。

何がきっかけで医療工学からソーシャルビジネスに興味を持ったんですか?

大学2年の時に、研究を産業にして実際の社会に活かすのってめちゃめちゃコストとお金と人と労働力がすごくいっぱい必要だと感じました。
私は医療工学でペースメーカー、カテーテルをやってみたいと思って大学に入ったんですけど、これを実際に私が功績残せるのっていつになるんだろう?、これは本当に自分が今やりたいことなのか?って思ったんです。
もうちょっとオープンマインドにならなくてはいけないと思った時に、大学生のための国際的なソーシャルビジネスのコンテストHult Prizeを知りました。
もともと、ビジネスは大人がやってる汚い世界みたいなイメージが強かったんです。
お金のやり取りをして、それで食っていく。私利私欲のために稼ぐ、みたいな(笑)
Hult Prizeの時に、"ソーシャルビジネス"というキーワードを知って調べてみたら、ビジネスというのは手段になり得るんだと知ったんです。
何か社会に貢献したり、何か社会にインパクトをもたらす時に、
そこにはどうしてもこの資本主義の世の中ではお金が必要で、それがないと団体が回らない。
ボランティアもボランティアで続く世界なんてこの世にはなくて、
ソーシャルビジネスの定義は論文でも言われるくらい若干曖昧なものではありますが、何か社会にインパクトを残すためにファイナンスサスティナビリティ、つまり経済的な持続性も必要だという理論のもと成り立っているんです。 この時、「これ、すごい良いことじゃん!」と思ったんです。手段として捉えたら、それはかなり必要不可欠なことに近いんじゃないかって思うようになって、そこからソーシャルビジネスに興味を持ち始めました。

HSPって、人との関わりが辛くなってしまうから
どちらかというと人を遠ざけてしまうパターンもあると思うんですけど、
HSPという傾向を良い方向に捉えて上手に付き合えているのかなと思いました!

そうですね
高校時代に同級生が亡くなった出来事は、学部2年の時もその子のSNSはまだ残っていて
今でもその日付は覚えているし 、(私自身)すごい突然泣いてしまうんですよ。
目的に立ち返させられるんですよ。
目的と手段をやはり入れ違えてはいけないので。
そうした時に、今やってる活動の何だったら一番意義があるのか?今自分が持ってるスキルセットの中で何だったら一番近いんだろう?って考えると、
結構それがMore-ingだったことが多かったし、自分がその立ち上げの発起人でもあったから私がMore-ingにつけているビジョンが「持続可能な手段で人々の生活と命を助ける」なんですけど、
それってすごく私のやりたいことにかなり近い。
More-ingはただの手段だけど、このビジョンは会社のビジョンではなくて、私のライフビジョンでいいなって思うくらいのビジョンだったので、誰かのためだけでなく、自分が落ち着くためにそれをやっていました。

渋谷さんも大学時代に起業をされていると思いますが、
その時のエピソードがあれば教えてください!

早稲田大学の基幹理工学部に行ってたんですけど、中退しました。
休学を2年していて、その間に起業しました。
3年前にある日突然、お袋から「あんた来月から学費とか家賃とかないらしいよ」と伝えられて
当時は養育費とバイトと奨学金で生活していたんで
その中でクラブのセキュリティや飲食のバイトを掛け持ちしていたので、これ以上バイトを増やせないなと思って、
とりあえず目の前の生活をなんとかしなければ!という思いから、ネットで「フリーランス 稼げる」って検索して(笑)
そしたらいろいろ出てきて、一番出来そうだなと思ったのがホームページの受託開発で、とりあえずHTML/CSSを1ヶ月くらいで習得しました。
早稲田には経営者が毎回やってる授業があるから、そこに行ってひたすら営業してました。
月に1本作ると大体30万なんで、2本作っても結構儲かるみたいな(笑)
だから、起業というより最初は「生きる術」でした。
僕はもともと飛行機を作りたくて大学に入って
速い飛行機とか燃費がいい飛行機って世界にとってプラスじゃないですか。
世界にとってプラスなのにお金がハードルで、教育の格差が生まれて
親がお金持ちだから入ってきたはいいけど、何もやる気がないやつがいるっていう
この構造が本当に意味が分からないなって思ったんですよ
これをまず良いように転換させて死ねたらOKかなと思って

死ねたらまで考えるんですね!

僕は「死」を常に考えるんですよね
80、90歳まで生きるとすると、あと60、70年くらいだから、意外と短い!

「死」を考えるきっかけがあったんですか?

幼い頃、DVの家庭だったんで
僕自身、安全な生活ではなかったんです。そういうのが原体験としてあるのかなと。
生きていると1日1日すごいスピードアップしている気がしていて。
2、3年前の当時の目標は50歳までにミニマムで一兆円の財団を作りたい、
やりたいことベースでお金をちゃんと回せるような財団を作って死ねたら僕にとって1つはOKだなと思ったから
それをやる時に何をしようか考えた時に、僕はサッカーの本田圭佑さんが好きなんですけど
3年前に今からサッカーは絶対に違うなと思って(笑)
一同:笑

スポーツ違う、芸能とか無理、、起業?っていう感じで(笑)
起業した感じですね
ある日突然生活ができなくなるかもという状況は、僕の人生にとっては小さなことなんですよ。
最後にぷつんとなった時があったんでしょうね。
今までは何かをやろうという自信はなかったんですけど、3年前はやろうって決めてそれをきっかけに始めましたね。

マイナスをプラスに変えていく力を感じますね!!

僕はゼロをプラスに持っていく力よりもマイナスをゼロに持っていく力の方が強いと思っています。

すごい生命力を感じます!(笑)

そうですね。生命力だけはあると思います。
資金調達について

資金調達での印象的なエピソードはありましたか?

当時ビジコンに出るために今のMore-ingの原型を始めて、
最初はビジコンで良い結果を残すという目的だけで、ネパールにも行っていろんな人に出会ってということをしていました。
ビジネスプランをするために、ブラッシュアップをいろんな方にお願いしたり
手作りの名刺を200枚くらい交換して一気にいろんな人と繋がってお会いして、いろんな関係と知識とクラウドファンディングで人様からお金をいただいたんです。
親からお金をいただく機会もこれまで一度もなくて、
クラウドファンディングっていろんな人がお金を入れてくれるんですよ!受ける側としては、本当にびっくりするんですよ!
これまで時給1000円程度のバイトしかしていなかったのに、いろんな人が「いいね、それ!」って言って3万円入れるんですよ。
それって本当にすごいことだと思って
そこからすごい人からのご縁、御恩、知識、人脈についてすごくいっぱい考えるようになりました。
ビジコンで世界地域予選まで進出したもののそこで負けて帰ってきた時も、なんで今、飛行機に私がいるかっていったら私のお金はほとんどない。
2、3ヶ月前まで名前も知らないような人たちが「すごいね!頑張って!」と言って、チャリン!って私が働いたら何十時間分ものお金を入れてくれたからこそ飛んでいて、みたいなことをいっぱい考えて人の想いって本当にすごいんだなと思いました。
それがすごく良い経験になって、
これだったら自分でできる気がすると思い、実際に現地に行ってコネクションができて、ネパール人のメンバーもできて。
実際に現地の人にインタビューした時、その日暮らしで貯金もなくて、畑に行きながら出産もして、出産2日後には仕事復帰して、というようなお母さんたちと知り合ってお話しして、自分の価値観が崩れました。
そういった状況を目にしたことを忘れたくない思いが強くて、そのまま何か形にできないか?
というところからプロジェクトが継続していき、食品を扱うという関係性もあって、2021年に合同会社Sociiを起こしました。
渋谷さんは、登記して自分でまた事業を立て直すタイミングはどこだったんですか?

ちょうど1年前ですね。
2021年の3、4月ぐらいからNFTが盛り上がっているのを見てて。
そのタイミングで日本で一番強いブロックチェーンの有名な会社であるダブルジャンプトーキョーに8ヶ月くらい働いてました。
去年の12月くらいに、ちょっと前から知り合いだったあるVCの方から久しぶりにメッセージが「今NFTやってんの?」って、来て話す流れになりました。
そうしたら、「やりたいこと何かないの?」って聞かれて意気投合した。
タイミングよくチャンスが来たんですよね!(笑)

タイミングが良かったのもあると思いますが、お話を伺う中で、日々人と接するときの渋谷さんの姿勢だったり、仕事に対する真面目な姿勢や思いがあるからこそ巡ってきたチャンスだと感じました。
2回目の資金調達で、苦労したことはありますか?

1年前に比べて市況がめちゃめちゃ悪いんですよね。
今年くらいからアメリカの銀行が金利を上げ始めて、それが株式市場にも繋がってきている。
僕たちがやっているNFTなどの市場がめっちゃ下落するんですけど、それに加えてFDXという世界で2番目に大きかった仮想通貨取引所が破産するという…。
だからめちゃくちゃ市況が悪かったことは苦労しました。
今だから言える学生時代起業したことのメリット・デメリット

渋谷さん、ありますか??

メリットは、
"学生を辞めて全てをかける意思を固めてやります!"というマインドセットが投資家に響いたこと。
デメリットは、
学生は経験値が少ないので、それを埋められるようなアイデアが必要だと思います。例えば本当にコンシューマ向けのSNSで超当てるとかはお勧めです。

本間さんは、ありますか??

メリットは、起業が手段なんだと分かったこと。
起業してみると、いろんな企業があって、学生の立場だけじゃない立場を利用して会う人たちが増えて、いろんな事業を知れたこと。
More-ingと同じくモリンガを別の手法で儲けている企業もあるんだなとか。
自分が起業家であることに、誇りは持たなくてもいい、という気づきを自分でできたこと。起業してみて良かったと思います!
デメリットは、メディアですね。
いろんな人たちが、私をそういう側面でしか見なくなる。

確かに。

人間って多面体だと思うんですよ。
私ってモリンガちゃんだけじゃなくて、その要素もあるんですけど、
それだけじゃなくて「Z世代」「リケジョ」「起業家」でもあり、「大学生」でもある。
自分の事業を大きくしたいとかだけではなく、インキュベーションについて考えている人だったりもする。
今はもう1つ、スタンフォードソーシャルイノベーションレビューというジャーナルを日本語訳にしたり、出版するところの構成や編集もやっているんです。
そういう社会に対して出版物を通してソーシャルインパクトについての知見を広めるという、インキュベーションに近いようなこともやっていたりもしています。
だから別に私がいわゆる「ハッシュタグ」を付けられる売れる項目だけで構成されているわけではないんです。
でもメディアっていわゆる商売なので、そういうふうに切り取ってマーケティングしていく。
それに対して、メディアが取るハッシュタグってすごい短絡的で短期的に投資価値がある言葉なんですよ。長期的に投資価値があるものって別に記事にする必要はないので。
記事ってやっぱり新奇性があってニュースで、そういうところがあるから記事にしたい。そうじゃないと切り取ってくれない。
世間は、自分の立場、自分のポジショニング、自分のやりたいことや、
私の目的や手段を取り違える可能性があることを感じました。
メッセージ

最後に宣伝やメッセージありますか?✨

マーケター、NFTのプロデューサー、カスタマーサポートをする人などなど、いっぱい採用を募集しています!
🔽microverse株式会社🚀のHPはコチラ🔽
https://microverse.co.jp/#recruit

ビジネスモデルを全然伝えるので、真似する企業が増えて欲しい!(笑)
🔽More-ing🌿のHPはコチラ🔽

みなさん、ぜひチェックです!
本日はありがとうございました〜
久しぶりにお会いできて、うれしかったです!!🎉


ありがとうございました👏
〜記念撮影〜

スタッフAzukiの編集後記
本間さん、渋谷さんとは2年前のCrossPointオープン当初から関わらせていただいているお二人ということもあり、座談会中も同窓会のような雰囲気があってとても楽しかったです!🤣(笑)
年の近いお二人が情熱的にそれぞれの実現したいビジョンに向かって取り組む姿勢やそのバックグラウンドについてじっくりとお話を聞けたのは、初めてかもしれません。
「今、何ができるのか?」
人生は思った以上に短く、その中で自分自身は何に対して熱を注げたいと思うのだろうかと改めて考えさせられた会でした。✨
ここでは内容を盛り込むことは出来なかったのですが、本間さんと渋谷さんのコント(?)もとても面白く、2人の楽しく、前向きに生きていく姿にパワーを感じました!!😆
本当に、楽しい時間をありがとうございました!!!